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----コンピュータ・計測制御のシステムインテグレーター----
(株)システック井上
長崎市稲佐町3−3
 TEL 095−861−4136
(株)システック井上 社長 井上 達氏
(株)システック井上
社長 井上 達氏


 コンピューター・計測制御のシステムインテグレーターとして高付加価値化を追求するシステック井上(長崎市稲佐町3-3、井上 達社長、095-861-4136)。地元に密着した技術商社として1月に創立50周年を迎えた。豊富な経験と実績をもとにシステムの基本設計やエンジニアリングからメンテナンスまで「お客棟の良きパートナーとして最適なシステムを提案」をモットーに100周年へ向けて新出発した。

【漁船のエンジン販売から】

 同社は1950年(昭25)に井上社長の祖父にあたる邦雄氏(熊本県出身)が、戦後に満州を引き揚げて長崎に移り「井上商会」として創業した。満州での経験を生かして新潟鉄工所の委託により漁船のエンジン販売やメンテナンスを手がけた。59年(昭34)に株式会社組織に改め横河電機、日本ヒューレット・パッカード(HP)の長崎地区代理店として業容を拡大した。漁船エンジン部門については82年に新潟鉄工所と共同で「新潟長崎販売」を設立して社員を全員移管、井上商会は横河系と計測制御コンピュータ}に集約した。新潟長崎販売はその後新潟部品販売に吸収された。 86年に創業以来の社名を現在の「システック井上」に変更。横河電機や新潟鉄工所など10数社の販売代理店として各種計測制御機器や冷熱システム、航空宇宙機器の販売・メンテナンスを手がけ技術を蓄積した。
本社 テクノセンター(諌早市)
本社 テクノセンター(諌早市)

【H2ロケットの打ち上げに貢献】

  同社がシステムインテグレーター的な仕事を始めた背景には25年前に、HPのコンピューターの納入先から「H2ロケット」のエンジンの基礎試験で水素関連のデータを取るコンピューターの開発を支援したのがきっかけとなった。三菱重工業のロケット(魚雷)の発射装置が長崎にあったころからエンジンの振動解析装置のデータ収録などを手がけており、同社の名古屋誘導堆進システム製作所と共同でメインエンジンの「光電式バルブ開閉センサー」などを開発した実績を持つ。 97年には秋田県田代市のロケットエンジン試験場から機能試験装置の更新工事を受注した。「計測支援作業で20数年間、人材を派遣した経験と実績が認められた」(井上社長)と振り返る。

H2ロケット搭載用光電式バルブ開閉センサー
H2ロケット搭載用光電式バルブ開閉センサー

【ソニー長崎のメンテナンスを担当】

 半導体製造装置分野は、ソニー長崎(長崎県諌早市)のコンピューター保守メンテナンスをきっかけに12年前に進出した。ソニー長崎がメインコンピューターに横河電機を採用したことから24時間メンテナンスの委託を受け、FA(ファクトリーオートメーション)システムに力を入れることになった。現往は技崎をはじめソニー国分や厚木工場からも委託を受けている。
 メンテナンス業務で半導体工場に出入りするようになるといろいろな改善やシステム提案ができるようになり、顧客にとってもメリットが出てくる。メーカーに依頼するより小回りが利き、わざわざ東京から出張するより経費的にもプラスになる。簡単な増設や改造の仕事などを受けるようになり、仕事量も増えてきた。
 92年には従来のプロジェクトチームからFAシステム部に拡充し、諌早市貝津町に「テクノセンター」を開設した。FAシステムは諌早市に、電力や発電所関係は佐世保市にと県内に幅広く根を張って、地元ならではの細やかなメンテナンスやサポート体制でメーカーとの差別化を図っているのも同社の強みだ。
 現在はFA」のほかロケット関係の「コンピューター」、九州電力などの発電所の保守を担当する「電力公共」、三菱重工業向けの計測器などの「計測工計」、漁船向けの「冷熱」の5つのシステム部を発足している。これまでは営業、技術部の2部制をとっていたがそれぞれ顧客別に営業とサービスの縦割り組織とすることでよりきめ細かいサービスやシステムの提案ができるようになった。

【SPCビューワーを開発】

  99年9月に発売した半導体工場向け統計的工程管理ソフト「SPCビューワー」は5カ月間で120セット販売するヒット商品となった。IC製造工程の安定度を客観的に把握するための管理図を提供するコンポーネントソフトで、価格を従来の3分の1(7万円)にコストダウンしたのが要因という。
 SPCビューワーは、一定の生産量ごとに解析するハッチ処理に比べ、リアルタイムでの工程管理を可能にしたのが特徴。品質管理や工程管理における統計的手法をユーザーニーズに合わせて自由に設計できる。
 さらに既存のシステムやデータベースがそのまま活用でさ、複数のコンピューター上での作動も可能またプロパティを切り替えるだけでグラフが変更し、戻り値を使用して、メール通知やポケベル、非常点滅などの処理もできる。99年の「セミコン関西」や「セミコンジャパン」に出展し、半導体メーカーなどから注目された。
統計的工程管理ソフト「SPCビューワー」
統計的工程管理ソフト「SPCビューワー」


【幅広いシステムインテクレーターを目指す】

  FAシステム部などの好調により99年度の売上高は約40億円、2000年度は45億円を見込んでいる。10 年前は三菱重工業の売り上げが全体の半分近く占めていたが、他の部門の伸長により現在は3分の1程度に落ちている。
 井上社長は「売上高には全くこだわらず、社内目標も経常利益しか指示していない」と利益主義を貫く。各部の利益率が異なるのでどの部が経常利益を引き受けるかで売上高の目標が変わってくる。半導体などの成長分野や付加価値の高い部門にマンパワーを投入し、ビジネスチャンスを拡大している。
 半導体メーカーなどにメンテナンスや工程管理ソフトなどで出入りすることにより同社の得意分野である計測制御やデータ集録システムを提案することができる。今後は「より幅広いシステムインテグレーター」として最適なシステムを提案していきたい」と意欲的だ。
 ホームページ http://www.sys-inoue.co.jp/