技術の利

陶磁器産業関連

地域産業資源活用事業の展開

伝統を活かした陶器技術の新分野事業への取り組み。

 長崎県の伝統的な地場産業である三川内焼、波佐見焼などの陶磁器産業では、長崎県窯業技術センターを中心とした産学官連携により、新材料開発や無機系廃棄物の再資源化など、これまでに蓄積した基盤技術の高度化と新技術の融合による次世代陶器産業や新分野事業における製品開発を展開しています。

長崎県窯業技術センターの支援事業

 長崎県窯業技術センターは、陶磁器産地に立地し、前身である窯業指導所(1930年に現在の波佐見町に創設)から長年技術指導を行ってきたました。現在はその伝統的な背景を充分に生かしながら、技術支援に力点を置いた企業支援サービスを提供しています。
 センターの業務は大きく「研究開発」、「技術支援(技術相談・依頼試験・人材養成など)」、「情報発信」に分かれ、それぞれの企業に対する支援状況が一度に分かる「企業データベースシステム」を構築しています。
このシステムの運用により、個々の企業が求めている技術支援を横断的に見ることが可能になり、支援企業にタイムリーに情報を提供したり、新たな研究や技術支援に活用することが出来ます。

長崎県窯業技術センターの「企業支援スキーム」
長崎県窯業技術センターの「企業支援スキーム」

窯業技術センター、産学官連携による主な研究・開発

○有資源である陶石の有効活用と経営の効率化を図るため、低火度陶石を開発するとともに、無鉛絵具の開発。
○低火度陶石・無鉛絵具等陶磁器新材料の研究開発
○新しい材料とプロセスの開発(機能性材料の開発、3次元CAD等陶磁器製造プロセスの高度化)。
○環境、エネルギー分野における技術開発(環境保全技術の開発、陶磁器の低温焼成技術開発)。
○新しい窯業製品の開発(家庭電化製品に対応した新製品開発、工業部材開発)。
○農工、水工、医工の連携分野での研究開発(機能性無機材料を利用した農作物鮮度保持など)。


●窯業技術センターの現在の主な研究・開発成果

■波佐見焼テーブルライトの開発(経済産業省 地域資源活用型研究開発事業)
長崎、佐賀、熊本三県共通の地域資源となる天草陶石を原料とした陶土・素地の調製技術を開発。開発した透光性素地は、従来の天草素地よりも透光性が4倍に高められ、この性質を活かしたインテリア製品などへの活用が期待されています。

■3次元シミュレーションを用いた製品開発プロセスの支援技術に関する研究
陶磁器産業の新製品開発を支援するため、3次元シミュレーション技術(コンピューターによる仮想の3次元造形技術)を用いた新しい製品開発プロセスを構築。これまで陶磁器製品の開発は、企画から開発まで多くの時間やコストが掛かっており、新商品開発の障害となっていましたが、今回の研究により、複雑で精緻な3次元造形を、デザイン開発から石膏見本出力まで、データの一貫性を保ちつつ行うことが出来ます。

■電子レンジで加熱する陶磁器製品の開発
安全で手軽に加熱できる陶磁器製品開発の要望を受けて、電子レンジのマイクロ波を吸収し加熱する製品を県内の企業と共同で開発。製品の内部に取り付けたヒーターは主成分のセラミックスが発熱するとともに蓄熱機能(熱を蓄える)をもっています。電子レンジあんかは容器の内側に断熱処理(熱を伝えにくくする)を施し、徐々に熱を伝えます。

■蓄光式避難誘導明示物(蓄光タイル)
蓄光(ちっこう)とは燐光とも云い、物質が光をためて発光する性質のことで、陶磁器製タイル上に、蓄光性顔料を含むガラスを蓄光層として形成した地下鉄用避難誘導明示物を、県内の陶磁器メーカーと共同開発。蓄光層を形成するための印刷技術、JIS規格へ準拠するための色相調整、さらに蓄光層定着のための焼成技術など諸課題を解決し、東京都営地下鉄に採用されています。

波佐見焼テーブルライト
波佐見焼テーブルライト
3次元出力装置
3次元出力装置
世界初「透視型ガス焼成炉」
世界初「透視型ガス焼成炉」
蓄光式避難誘導タイル
蓄光式避難誘導タイル
長崎県窯業技術センター

400年の歴史をもつ波佐見焼、三川内焼をはじめ、広く県内窯業の発展・振興を使命として昭和5年に設立。
新事業・新産業の創出を目指し、企業や大学、関係公設試とも連携し、新材料や廃棄物の再資源化などの研究開発、新技術との融合による新分野の製品開発、陶磁器産業支援のためのモノ 作り基盤技術の高度化などに取り組んでいます。
併せて、依頼試験、技術相談、情報提供及び人材養成など産業界の技術支援を行っています。


http://www.pref.nagasaki.jp/yogyo/

長崎県窯業技術センター
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